最近よく聞く「深層学習」って、何?

Sae Kawagishi

26 Feb, 2021

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「深層学習」とは

深層学習は、機械学習の特殊形

深層学習とは、ディープラーニング(Deep Learning)とも言われ、人間が行う活動やタスクをコンピューターに学習させる、機械学習の手法の1つです。

深層学習が他の機械学習と決定的に違う点は、人間の脳の神経細胞の仕組みや働きを再現した認識・伝達モデル『ニューラルネットワーク』を多層に結合して、表現・学習能力を高めた点にあります。

人間の脳の構造を真似することで、なんと人工知能(AI)が人間の指示や操作を必要とせず、自力で学習を進め、考え、判断出来るようにしていくことが可能になりました。

深層学習のここがスゴイ

深層学習、どこがスゴイ?

この深層学習のすごさは、機械学習を人間に都度逐一教え込まれるのではなく、共通パターンを読み取り、自習自学するところにあります。従来型の機械学習では、例えば色を認識するには、「色情報」を特徴として人間が設定し、識別させていました。

その一方、深層学習では、学習データからコンピューター側が自動的に特徴を抽出する点が大きく異なります。何に着目すれば良いのかを教える必要がなく、どんな特徴を利用すれば識別できるのかを自動的に複数の情報から掴み取り、学ぶことが可能になりました。これは画期的な変化と言えるでしょう。

今までとの違いはここ

近年深層学習が注目を集めているのには理由があります。それは深層学習が、2010年代以前の技術では不可能と思われたレベルのパフォーマンスを実際に発揮出来るようになってきているからです。

それは膨大な量のデータを分析・利用出来る点にあります。こうした急激な進化の背景には、サーバーの処理能力向上があります。深層学習を支える識別精度を上げるためには、パターン学習の施行回数を増やしてデータを大量処理する必要がありますが、過去のサーバーではそれが出来ませんでした。しかし、コンピューターの高度な処理能力は生命線であり不可欠です。

そこで、高性能なGPU(Graphics Processing Unit…画像処理に特化したCPUのこと)をクラスターやクラウドと組み合わせて使用することで、これまでは数週間を要したネットワークの学習時間を数時間以下にまで短縮することが出来ました。これをきっかけにサーバーの性能が格段にレベルアップしたことで、学習速度が飛躍的に向上。コンピューター性能の向上によって従来の50倍もの大量データを高速処理することが可能になり、深層学習の進化へと結び付きました。

一部の分野に於いては、2015年にマイクロソフト率いるチームの人工知能が、人間の画像認識能力を越すなど、ときに人間を上回るような能力を持つような段階までに至りました。

今、こんなところにも使われている!深層学習

さまざまな分野・場面で役立つ

深層学習は人工知能の急速な発展を支える技術であり、その進歩によりさまざまな分野への実用化が進んでいます。

近年CMでもよく目にする、進歩の目覚ましい車の自動運転技術においてもカギとなっているのは深層学習の画像認識です。今日、高い精度で標識を捉えて認識したり、電柱と人間など被写体を区別し処理するのも深層学習が可能にしている技術と言えます。個人の過去の検索履歴からコンピューターが自動的に興味・関心を学習してくれ、それに合った内容表示や提案を可能にするため、追跡型パーソナライズ広告やECサイトの商品検索でも使われています。

また、電話、タブレット、テレビ、ハンズフリースピーカーといった家庭用機具の音声認識にも、使用時に単語数が少なくとも推定可能となるといった重要な役割を果たしています。

その他、同時機械翻訳に於いても、先述のニューラルネットワークを用い、『ゼロショット翻訳』と呼ばれる、これまでの機械翻訳では難しいと考えられていた速くて自然な翻訳を可能にするなど、飛躍的な技術向上に寄与しています。

これから、こんなところでも活躍しそう!深層学習

今後の活用展望

深層学習は機械自身の自学習を可能にするため、今後どんどん知識を吸収して学習して行き、弱い人工知能が強い人工知能へと発展を遂げるのも、もうそんなに遠くない未来かもしれません。

有識者の見解によると、深層学習を用いた人工知能により、

介護・教育・セキュリティ現場、

農業・漁業といった第一次産業へのサポート・従事、

犯罪・事故の防止への貢献、

裁判の判例・医療データの活用、

職人の技術・ノウハウの伝承

等々に役立つといわれています。

また、これからは、もはや人類同士の協働にとどまらず、社会の平和や発展を考える上で、多分野に渡り複数登場すると考えられる高度な人工知能同士が共存し、上手く協力関係を結べることも重要なテーマになることでしょう。